きみと歩く時々走る

重複障がいのある息子とのこれまでと今

リコーダー

からあげくんはリコーダーが嫌いだ。

 

私のせいだ。

 

小学生のとき、からあげくんは音楽の時間交流学級に行けた。

直ぐぱっと言葉がでないからか、からあげくんはみんなと歌を歌うのが苦手だった。

リコーダーの授業にはいり、私はからあげくんの特訓をした。

実家から自分の昔のリコーダーを持ち帰り、延々とからあげくんとリコーダーを吹いた。

リズムをとるために叩いた自分の太ももが紫に内出血するくらい根をつめた。

何時間も吹いた。

 

理由は、なんとなくバカにされてるように感じていた交流学級の子を見返したかった。

そして、からあげくんに自信もつけさせたかった‼️

苦労した。

確実にみんなのなん十倍も練習した。

からあげくんは、交流学級の音楽のリコーダーの一人ずつ吹くテストで合格した❗

合奏でもみんなと一緒にふけた❤️

私は泣いたし、からあげくんは自慢げだったし、一緒に支援学級についていった支援員さんは興奮気味に先生も子供たちもみんなが驚いて拍手してくれたことを話していた。

 

そして、新たな課題がだされた❗

先生はきっと知らなかった。

 

私とからあげくんに血のにじむような努力が続いていたこと。

そして。

いくらがんばっても手の麻痺で出せない音にぶつかった。

泣きながら努力してもどうしてもでない音。

私の太ももは腫れ上がり、からあげくんはとうとう暴れた。

限界だった。

 

だから。

からあげくんはリコーダーが嫌いだ。

 

あの地獄のような特訓は喜びと哀しみと、幸せと絶望とをのこした。

 

私は虐待をしたのだろうか、

 

たまに絶望して抱き合って泣いた日を思い出す。

 



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あそこまでして出来なかった悔しさと

あれだけしてできた喜びと

からあげくんの中にはどちらが残ったのだろうか。

からあげくんのふくエーデルワイスが私の中にはまだ残って胸を締め付ける。

 

だから、私もリコーダーが嫌いだ。

捨てた‼️