きみと歩く時々走る

重複障がいのある息子とのこれまでと今

親の会をやめる 後編

生殺与奪

という言葉がアニメで流行ったが、生後すぐに手術を余儀なくされる類いの病気をもってうまれた子どものこの権利は親が握る。

 

いきなり、

手術しないと数日の命です。

しても治りはしません、一生付き合っていかねばなりません、助からないかもしれないし、障がいが残る可能性もあります。

今決めてください‼️

といわれる。

その部屋の向こう側には寝たきりで機械に繋がれたり、明らかに知的障がいがありそうな子どもがいたり、ぼく手術10回くらいしてるんだとかいう小学生がいたりする。

自分達が描いていた赤ちゃんがやってくる幸せな世界とは真逆の世界が広がっている。

モニターの音と消毒の匂い、息子も同じようにたくさんのコードや点滴に繋がれ裸にオムツだけの姿で保育器にいた。

 

親の会にいる人はここで手術を選んだひとだ。

そして、手術は一度で終わらない。

まだ、さきに何回か試練を控えたひとがいる。

 

うちは心臓だけで四回、脳や目など今までで10回を越えている。

実はよく覚えてない。

11か12かたぶんどちらか。(笑)

他にも全身麻酔の検査や処置も同じくらい。

彼の身体は傷だらけだ。

そして、心臓病だけだった彼はその手術のなかで、脳出血を起こした。

肢体、目、知的に障がいが出た。

生後すぐに手術を何度か受けた子には発達障がいが現れやすいという論文が出たのは息子の幼い頃だ。

私が出産をした病院では、出生前に病気を見つけられなかった。

これだけ重いと絶対見つけられるはず❗

と後で言われた。

産まれる前にわかっていたら…

あと、出産病院の系列で出産後の搬送先が三ヶ所に分かれていた。

息子の病院はそのなかで一番格下だと言われていた。⬅️私はそんなことない!と信じていたし、信じているから病院をかえていない。

しかし、親の会ではどの病院のどの先生か❗はかなり話題になり神の手を持つという先生に診て貰ったひとには羨望があつまったり、セカンドを考える人は必死に質問していた。

そんなわけで、私はある親から親としての意識が低い❗子どものためなら日本中駆け回らなきゃ❗と言われたり、暗に病院が悪かったからこうなった的な事を言われたこともある。

いまからでもかえたら?と。

だから、100%悪気はないのだ彼女にも。

そのくらい親の決断は大きい。

だからこそ、手術前の若いお母さんは、手術のあと後遺症で今に至る息子の存在は怖いものだったのだ。

自分の身体ではない、愛してやまない子どもの生殺与奪の権を任される親の精神的なプレッシャーは半端ない。

病院や、医者により手術できる、できないの判断は違う。

できる。という言葉にすがり手術をして命を落とす子どももいた。

しかし、手術がうまく行けば限りなく普通の人生が手を広げて待っていたのだ。

誰が何を言える?

 

私達はそんなプレッシャーのなか子育てし、決断し、情報を集め、成長して普通の人生を歩むお兄さんお姉さんをみて気持ちを落ち着かせ夢を見てきた。

その中に息子がいた。

怖くなって当然だ。

 

私はむすこが4歳くらいの頃、通っていた療育の一番の親友に言われたことがある。

 

今日、福祉バスか、作業所の車待ってたんだと思うんだけどね。

知的障がいがある感じのおじさんの手をしっかり握って、小さいおばあさんがたってたの。

たぶんお母さんなんだとおもう。

おじさん、上ジャージの裾ズボンにいれてね、リュック背負ってニコニコしてた。

わたしさ。

わたし、怖かった。

あれが私の将来かなって。

私ね、だからこの子にはジャージとかじゃなく大変でも可愛い服着せたいし、私もね服とか気をつけていきたい。

 

私も同じことを感じて息子の身なりを気を付けていたし、療育でも、入院付き添いでも化粧を欠かさなかった。

そして、親の会のお兄さんを必死にあれが息子の未来だと考えながら過ごしていた。

だから、親の意識の高さ云々、しつけ云々、という言葉は真に受けたし自分がもっと頑張らなきゃ‼️と奮起していた。

 

 

それを思い出してね。

私はこの親の会のランチでバス停にたつお母さんになってはいけないと思った。

 

バス停のお母さんごめんね。

 

でも、いま私もそこにいるから許して。

いや、ちがうか?

 

うまくいえないけど。

 

そんな過去があるからやめることにしたし、若いお母さんの気持ちはよくわかる。

少しでもより良い未来を考えながら生きることは大事❗

そうしなきゃ生きていけないかこくさがあるよね。

だからね、だからね。

わたし、やめたんだ。

 

 

推敲が出来ないくらいいましんどくてこんなふうにしかかけなかったけど、

若いお母さんの恐怖は子どもへの愛だからね。

私は恨んでないから。

それだけ。

 

みんな頑張って。

そうおもいます。

 

また、落ち着いた頃書けたら、もう少しきちんとまとめられる気がします。

またいつか。