きみと歩く時々走る

重複障がいのある息子とのこれまでと今

13日の金曜日

こんげつは年の始まりからしんどい。

 

ひとつはひとつの人間関係が終わった。

非常に気まずく、そして傷つく別れだった。

 

 

もうひとつは今月が13日の金曜日のある1月だということ。

 

もうずいぶん年月がたったが私の中に大きな傷を作った祖母が自ら命をたったあの日。

あの日は日曜日だった。

そしてあの年の1月は13日が金曜日だった。

 

だから。

私は13日の金曜日が怖い。

あの日までは代わり映えしない日常があった。

翌日土曜日、祖母は私を呼びおこづかいをくれて受験頑張ってねといった。

そして日曜日のあさ祖母は起きてこなかった。

 

一通りの騒ぎのあと父は私を呼んだ

私のせいだと言わんばかりの声掛けをされ、あのおこづかいをせいぜい大事に使えよ。それがおばあちゃんの最後のお金だといわれた。

通帳も空だと。

 

私は呪符になったそのお金を持つのが怖くてこっそり茶の間の本棚の一角に重なった書類にその呪符を滑り込ませた。

気がついたら呪符は消えていた。

私にかかった呪いはそれから何十年も私を縛り消えないけれど。

呪符は消えた。

どうなったのだろうか、あのお金は。

 

私のせいではないようだと知ってから数年たったが私は今月も眠れない。

たくさんの眠たくなるはずの常用薬に加え、花粉症の薬、睡眠薬

染み込んだ呪いは私を眠らせてくれない。

なにもしないでいるとこうやって思い出さなくていいことが、その日の空気のぴりつきや香りと一緒に甦るから。

私は明日もてを動かし、身体を動かす。

きっと眠らせてくれないのだろうけど。

 

1月もあと少し。

どうか早く過ぎてください。

 

呪いだなんてごめんね、おばあちゃん。

でもやっぱり思うよ。

私は辛かった。みんな辛かった。

今も辛いよ。

 

どうにかあの日は過ぎた。

母はあまりにも衝撃が強くてあの日から数日の記憶が曖昧らしい。

私も忘れてしまえたらいいのに。

ただ、母も13日の金曜日が怖い。

そういう

 

みんな、みんな傷を持った。

寒い寒い今日は、心も寒い。