まるちゃん、スゴいね。
これは、先日旅先で母に言われた言葉だ。
タクシーに乗車拒否からのとんかつくんが拾い、
まぢ?車イスかい!面倒くさ!
口に出さなくても、車椅子対応タクシーの存在を説明され、眉間にシワを寄せる運転手。
そんななか、お通夜みたいな後部座席を尻目に助手席で軽やかにしゃべる私。
まずは、車椅子タクシーサービスを教えてくださったことへのお礼から始まり、
本当に素敵だったお名前を誉めて。
田舎者からみたまちの賑わいや素晴らしさ、この街でタクシーを走らせることのスゴさ。
嘘ではなくて事実感じてるけど、普段ならわざわざ言葉に出さない褒め言葉のシャワーに、乗せてくれて泣きそうなくらいうれしかったとまたお礼でしめて到着。
運転手さんの眉間のシワはつく頃に消え、目尻がさがっていた。
旅の幸運まで祈って貰えた。
私はせこい人間なんで、こうやっていきぬいてきた。
失礼な言葉や屈辱も、出来るだけやり過ごし。
逆に最後はプラスの優しい言葉をいただけるように。
母はそんな私にスゴいね。
と言ったのだ。
セコくて卑屈かも知れないけど。
こうやってやりすごすとお互い笑顔で別れられる。
息子に障害がなければ、タクシーでお客様ぜんとしていたかもしれない。
些細なことだけど、障害がある子供をもつ親も、当事者も何だかんだと気を遣いながら生きている。
なんもしてないようで、なんかはしてるんだって、一杯気を張って、みなさんに迷惑かけたくないし、冷たくされると傷ついてるんだって分かって貰えたらうれしい。
ひとりで、または息子抜きでタクシーや公共交通機関を使うときの気楽さや疲労度の低さは半端ない。www
だから、
あー。
普段はすごく気を張ってるんだなー。
と感じるし、息子は当事者だからしんどいな。
っておもう。
いや、発達障がいあるから息子は偉そうに乗ってる感じにみえるかもしれないし、実際気遣いなんか出来てないかもしれない。
そうだといいなーと思ったり、不味いなとおもったり。
なににせよ。
乗車拒否、辛い。
そして、お母さん。
私はこうやって20年間生き抜いてきたんだよ。
本当は心のなかで怒ったり泣いたりしながら、頭下げて、下げて、お礼からのお礼を重ね。
卑屈かも知れないけど息子を守ってきたよ。
頑張ったんだよ。
これからも頑張るしかないから頑張るよ。