レイコ嬢は我が家をリノベーションして直ぐのまだ暑い時期にやってきた。
彼女は冷蔵庫だ。
鏡面仕上げ、黒い姿は実にお美しい。
そして、先代と違い言葉はしゃべらない。
先代が女性の声で
ドアが開いています🎵
冷蔵庫の温度を強にします❗
などと話していたので少し物足りないが。
美人はすましていても愛される…ようだ。
レイコさんの先代が急に仕事放棄をはじめ引退を宣言したのが暑い時期だった。
懇願したが、引退の意思は固く引き留められず。
私は焦りに焦り。
とんかつくんを急かして、電気屋に走った。
後任を早く見つけねば❗
冷蔵庫はリットルがsizeになっているのに、設置スペースを計り、そこにおけるsizeで一番ジャストな物を買おうとしたのは私に既に冷静さがなくなっていたのだ。
前任者のsizeも覚えてない上、
値段すら確認しなかった。
私の中ではクーラーボックスのなかで溶けていく100g48円のとりむね肉の姿しか思い浮かばなかった。
少なくともその肉より高い買い物だった。
ただ、ドアを開いた時のことまで考えてなくて、観音開きが壁で開き切らず、中の仕切りの位置を変更できない‼️と言うウィークポイントがある。
いや、美人は少しくらいワガママな方が素敵なのだろう…多分。
そして、鏡面仕上げは毎日何度も磨かないと直ぐ指紋だらけになる。
近頃は
母さんの体調が悪い=レイコさんが指紋だらけになる
と我が家のメンズに認識されている。
手がかかるが許されるのはたくじ様同様、ルックスの良さだ。
羨ましい。
美しい麗子嬢を羨望しながら今日も磨き上げる下僕のまる。
麗子さまいつまでもお美しくご機嫌よく働いてくださいませ。