きみと歩く時々走る

重複障がいのある息子とのこれまでと今

普通に中学生になり、普通に高校生になれますよ。

育児日記から。


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生後ひとつき、脳内出血が見つかる前

 

一番はじめの心臓手術が終わり、今後後二回の手術をのりこえたら。と言う前置きで

 

激しい運動は難しく、オリンピック選手を目指すようなことは出来ませんが、

普通に中学生になり、普通に高校生になれますよ。

 

と主治医に言われて喜んだ記述があった。

 

そして、数日後。

脳内出血が見つかる。

脳損傷水頭症、手術。

となったが、算数は少し難しいかもしれないけどあとは大丈夫じゃないかな?

と脳外科医。

 

ジェットコースターのようにメンタルは上がり下がりして。

だけど、私はずっと

 

普通に中学生になり、普通に高校生になれますよ。

 

をささえにしていた。

というか信じていた。

 

まぁ確かに、

中学生になり、高校生になった。

特別支援学校の。

 

これはわたしのなかではそれは普通ではなかった。

読んでて

喜んでるところ悪いけど、そうならないよ。

と日記の中のわたしに話しかけた。

 

脳損傷のダメージは意外に大きく、色々もんだいがでてきた。

 

そして

とうとう車イスを作ると言う程度には障害が確定した。

おニューの車イスに乗った息子に初めて遭遇した、心臓外科の執刀医は頭をぐしゃぐしゃっとしながら、

そうか、足……ちゃったか…。

なんて言葉だったか正直覚えてないんだけど。

先生もショックだったのかな?

ひとつ、ひとつ、病気が見つかり、障害が出ていくのを見ていた先生も、もしかしたら私に話した事を覚えていたのかもしれない。

哀しそうな顔をして、でも息子に小さく微笑んで廊下の向こうに消えていった。

重症児の病棟に。

 

車イスになる頃にはもうある程度受け入れていた私より、

母さん❗甘やかして抱っこばっかりしてるから歩かんのやないん?

なんて歩くのが遅い息子に大丈夫、大丈夫と言ってた先生の方がその日は辛そうな顔だった。

 

先生。

仕方ないよ。

普通に中学生になり、普通に高校生になれますよ。

ってのは無理だったけど、心臓の予後は病気のわりにかなりいいんですよ。

 

先生、確か去年の春に定年退職でしたよね。

本当なら最後にお会いしたかったけど無理でしたね。

私は先生に感謝しています。

ありがとうございます。

先生が作り直してくれた心臓は今日も頑張ってくれています。