きみと歩く時々走る

重複障がいのある息子とのこれまでと今

2022-02-07から1日間の記事一覧

道化師の夏

今日は架空の女の子の話を書こうと思う。 フィクションだ。 えりは五つ年下の弟の陸を抱き締めてまだ夜が明けきらない真っ暗闇の更に暗い子供部屋の押し入れの中に入り込み耳をすませていた。 少し前、目を覚ましたえりは戦慄した。 光が漏れる階段のその下…

動き出せない

私の人生は実に平凡に過ぎて行く。 凪いだ人生だ。 昔はそんなに思っていたんだけど。 私の人生は暴風雨だったみたいだ。 ある日、踏ん張っていた足が少しよろめき風に煽られだだだだっともつれて風下に移動してしまう時があった。 そして気がつくのだ。 思…